熊本地震で壊れた屋根の修復方法

熊本地震での屋根の破損パターン①【大棟・降り棟・隅棟の破損とその落下により二次破損】

※この壊れ方が最も多いです。

大棟の被害↓

降り棟・隅棟の被害↓

この度の熊本地震での屋根の壊れ方の特徴は、上の画像のように、『棟瓦』と『降り棟・隅棟』が落ちたり割れたりズレたりした住宅が最も多いのが現状です。二階建ての場合は、2階の棟瓦が1階の屋根に落ちて1階屋根を広範囲に破損させてしまっております。

このパターン①での修復における選択肢

①瓦を使って元の状態に修復する。

この方法によるメリット・デメリット

メリットは同じ状態に戻るので、外観に違和感がなく、防水シートに破損が無ければ、雨漏りの心配も少ないでしょう。

デメリットは、再度地震が来たら、また同じ被害と修復の必要が出てしまいます。かといって、今度は棟瓦が落ちないようにコーキングやワイヤー等で固定すると、再度震災が来て、今度は棟瓦が落下しないで済んだとしても、落ちなかった瓦の重みがそのまま家に掛かり、倒壊の確率が上がり、ゆれ幅=ズレや歪みの程度も大きくなってしまいます。よって、この方法での修復の最善の策は、棟瓦の高さを半分程に減らし重量を軽くした状態で修復し、コーキングやワイヤー等で固定するのが望ましい方法かと思います。

しかし、築年数の経った多くの屋根の防水シートが、地震の揺れで引き裂かれた状態にあることが、今回の地震の修理の経験から判明しました。ですので、瓦を修復される場合は、見積りの段階で必ず『防水シートの状態も確認して下さい』と伝えて下さい。


 

その他の修復方法は、

②本棟や隅棟を鉄板素材にする。※弊社で施工できます。

 下記の画像のように棟を板金で加工して包む方法です。


 この方法によるメリットは、瓦や土や漆喰を一切使いませんので、重量が、日本瓦より遥かに軽量(本棟10メートルの交換で、乗用車一台分の軽量化)なので、屋根重量の大幅な軽量化による倒壊や歪みの確立を下げることが出来ますし、棟の落下による二次被害も無くなります。そしてまた、修理費が大幅に削減できます。

デメリットは、シャチホコや鬼瓦を使いませんので、屋根に装飾感がなくなります。瓦での統一感がほしい方には不向きだといえます。また、猛烈な台風にも注意が必要です。確実に施工してあれば大丈夫でしょう。



 

③全て鉄板屋根、鉄板瓦、スレート屋根などに葺き替える。※弊社で施工できます。

 この方法のメリットは、屋根重量を軽くすることで、家の重心が最も下がる施工方法ですので、地震の際の揺れを大幅に抑えることが出来ます。特に鉄板屋根は、軽量化だけでなく、瓦と比べて割れたり落ちたりすることがありません。一旦葺き替えれば、先々の震災対策の備えになります。デメリットは、屋根材費の他に、足場組、下地などの必要性がありますので、費用それなりに必要です。

 

熊本地震の特徴を研究し、どう修復する必要があるのかを、追加更新していきます。

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